2013/08/05

浮世絵 Floating World展へ





7月の半ば、三菱一号館美術館で開催中の
『浮世絵 Floating World』を見てきました。

浮世絵というと、誰でもご存知の?江戸時代の版画刷り絵です。
色ごとに版木を彫り、それぞれを組み合わせ、一枚の絵にする。
今でいうところの、プリント印刷、ポップアートです。
その絵柄を書く絵師を、浮世絵師といい、
葛飾北斎、歌川広重、などが有名です。

丸の内のブリックスクェアに行ってみたかったのもあり
その日、少しだけ日常と違うことをするのをすすめられていたのもあり、
このところ、江戸文化、三菱ゆかりの地を回っていることも有り、
調べているうちに、ここに行き着きました。

千代田線・二重橋駅、三田線・日比谷駅からもアクセスできますが、
今回は東京駅から丸の内南口からでて、
東京郵便局本局(今はKitteという商業ビルに立て変わり
併設されているんですね。)丸ビルに突き当たり、左折。
この辺りは、東京の、日本のビジネスの中心地だなというビルが立ち並んでいますね。
500mほど歩くと、レンガ塀の建物のブリックスクエアが見えます。

美術館は中庭から入り口がありましたが、まずはランチ。
カフェ1894では浮世絵展特別メニューのランチ、ドリンク、スイーツ
が用意されていて、穴子丼セットをいただきました。

丁寧な前菜とメインの構成で、
穴子は、ふんわりしていて、味も甘すぎず、美味しかったです!。
残念なのが穴子どんに付いていた甘長唐辛子?、青唐辛子が
辛くて辛くて、思わず涙出てきてしまう。
せっかく久しぶりにオシャレしたのに、目がパンダになっていた痛恨!。

今回の展覧会は、第一期〜第三期までわかれ、展示内容が変わります。
ワタシの行った、第二期には、
葛飾北斎の富嶽三十六景、赤富士、黒富士、神奈川県沖波裏
といった、有名な浮世絵も展示されていました。

浮世絵って、どこかしらで目にしていると思いますが、
まじまじとじっくりと、しかも江戸時代のそのままのものを
見たことってなかったです。

極彩色ではないですが、江戸時代の粋な色合い、
(江戸時代は奢侈禁止令で華美贅沢を禁じ足れていたことから、着物に
<四十八茶、百鼠>といった茶色、グレーの色を多種多様に取り入れて
好み、それを粋としていました。その分着物の裏地は派手なものにしています。)
風景画でまるで旅気分になっただろうその時の人々の様子、
人物画、花魁や商家の婦人が優美に描かれていたり、
当時人気の歌舞伎役者とのコラボレーション企画とか
ゆったりとして、粋で、せかせかしていなくて、
日々楽しんでいるような様子。
そんな江戸時代の息づかい、エネルギーが
浮世絵から伝わってくるようでした。

今まで絵画展、美術館で絵をみても、そういうエネルギーを
感じることってあまりなかった。
ルーブル美術館のモナリザも、あ〜モナリザだなぁ、
モネ美術館の睡蓮も、いろんな青があるなぁ、
と感じたくらい。

そういうことを感じる年齢になったんでしょうか?。
最近ちょっと江戸スポットに入ってますし、特にそうかも。

絵画といえば、18世紀半ばのパリ万博に
浮世絵をはじめ、日本の美術品が多く出展されたことから
ヨーロッパの絵画に大きな影響を与えジャポニズムと言われ、
マネ、モネ、ドガ、ゴッホ、セザンヌ、ロートレックは
浮世絵の影響を特に受けたと言われています。

今でもヨーロッパに行くと、自然に和のアイテムが浸透してて、
盆栽がブームだったり、漆が使われていたり、ティーサロンで
鮮やかな色の南部鉄器で紅茶が出てきたときは驚いたものです。
(ジャポニズムは、来年、2014年6月28日から世田谷美術館で
『ボストン美術館、華麗なるジャポニズム展』が開催とか。シンクロ!)

海外の物を憧れ、尊ぶ日本人ですが、
(多分、遠く遣唐使の頃からのDNAなのかも)
外国の人にしたら日本のものこそ、憧れの対象だったりするものが多くあります。
日本人は、どうして自分たちの中にある、いいもの、文化、自然、人を
大事にしないのか。
一方で今年は出雲と伊勢の遷宮ですが、その考えに
「常若の思想(常に若々しくあたらしくあること)」があり、本来は、
文化の継承、自然を保つため、人を育てる為に行われる一面もあるのです。

最近また、ワタシの中のジャポニズムがクローズアップされてきて、
<ジャパン!>意識が高まっています。
お時間があればぜひ、浮世絵展、おススメです。

注)おでかけの際には、薄手のはおりものをお持ちになるといいです。
浮世絵の保存の関係で、室温が低く設定されていて、寒いくらいでした。
500円追加で音声ガイダンスを借りるとより、内容を楽しめます。